皆さんは、コーヒー豆の精製方法をご存知ですか?
産地や焙煎については、カフェなどで耳にする機会があると思います。しかし、精製方法についてはあまり耳にする機会はあまりないと思います。
コーヒー豆の精製とは? コーヒー豆の実の部分を取り除き、乾燥させる前の状態にする事。
精製後は、乾燥・脱穀を行い、焙煎することにより店頭に並ぶコーヒー豆となります。
今回は、4つのコーヒー豆の精製方法をご紹介します。
それぞれの精製方法に特徴があり、味にも個性があります。
皆さんはどの精製方法のコーヒーを飲んだことがありますか?
4つの精製方法 1.水洗い式(ウォッシュド) 2.乾燥式(ナチュラル) 3.スマトラ式 4.ハニープロセス(パルプドナチュラル)
細かく分類すると他にもありますが、大きく4つに分類することが出来ます。
オリジナルのイラスト付きで分かりやすく解説していきます。
1.水洗い式(ウォッシュド)
その名の通り、大量の水を使い果肉の部分を取り除きます。最も多くの地域で用いられている手法なので、普段飲んでいるコーヒーはこの精製方法の可能性が高いです。
味の特徴としては、発酵させている為、少し酸味がありますが、スッキリとした味わいです。
採用している主な地域
コロンビア、メキシコ、グアテマラ、ジャマイカ、ケニア、タンザニア
具体的なプロセス
➀収穫
②パルピングマシン(パルパー)にかけ、果肉と外皮を取り除く
③豆を水に浸し発酵させる→濯ぎ洗い
④天日干しして乾燥させる
2.乾燥式(ナチュラル)
乾燥式(ナチュラル)は、果肉を取り除かずにそのまま天日干しで乾燥させ、脱穀する精製方法で、とてもシンプルな工程です。
水を使わない為、環境には優しいですが、欠点豆が混ざりやすく、精製難易度が高いです。
味の特徴としては、果肉の部分を残して乾燥させるため、フルーティーな味わいです。
採用している主な地域
ブラジル、エチオピア、イエメン
具体的なプロセス
➀収穫(完熟豆だけの手摘みが必要)
②そのまま10~15日乾燥(定期的な撹拌が必要)
3.スマトラ式
スマトラ式はインドネシア独自の精製方法です。
乾燥を2回に分けている点、乾燥の途中で脱穀を行う点などが特徴的です。雨の多い地域の為、このような特殊な工程になっています。
味の特徴としては、コクと他の精製方法にはない独特の香りがあります。
マンデリンという名前のコーヒーがあったら、是非ご賞味あれ!
採用している主な地域
インドネシア
具体的なプロセス
➀収穫
②パルピングマシン(パルパー)にかけ、果肉と外皮を取り除く
③豆を水に浸し発酵させる→濯ぎ洗い
④天日干ししてパーチメントを乾燥させる
⑤パーチメントを脱穀
⑥生豆の水分量が17%~20%になるまで乾燥させる。
4.ハニープロセス(パルプドナチュラル)
ハニープロセスは、ミューシレージという部分を残して乾燥させる精製方法です。
この「ミューシレージ」は、スペイン語で蜂蜜と同じ「ミエル」と呼ばれている為、ハニープロセスと呼ばれています。
また、ミューシレージを除去する比率に応じて下記のように分類されています。
ホワイトハニー:90%除去 ゴールデンハニー:80%除去 イエローハニー:50%除去 レッドハニー:20%除去 ブラックハニー:ほとんど除去しない
味の特徴としては、クリーンさとフルーティーさを持っています。ミューシレージの除去比率が高いものほどクリーンな味わいとなり、除去比率が低いものほどフルーティーな味わいとなります。
採用している主な地域
コスタリカ
具体的なプロセス
➀収穫
②パルピングマシン(パルパー)にかけ、果肉と外皮を取り除く
③ミューシレージが付いた状態で乾燥させる
(3~5日)
今回は、コーヒー豆の精製方法について、4つ紹介させて頂きました。
店頭で見るコーヒー豆は焙煎前・焙煎後のモノですが、
そこに辿り着くまでに様々なプロセスがあります。
そして、お店によってコーヒーの味や値段が変わると思いますが、
精製方法もそれらの変化に起因してくるのではないでしょうか。
産地だけでなく、精製方法や焙煎方法などで様々な愉しみ方が出来ます。
普段とは違うものを注文するなど、冒険してみると新しい発見があるかもしれませんね。
皆さんも是非様々なコーヒーを味わってみて下さい。
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